1.等式は天びんである
方程式は、わからない数(未知数)が入った等式です。2x + 3 = 11 は「ある数の2倍に3を足すと11」という意味で、この式を正しくする x を見つけることが方程式を解くということです。
等式は、左右の皿の重さが等しい天びんだと考えましょう。両側に同じ数を足しても引いても、同じ数をかけても、0でない同じ数で割っても、天びんは傾きません。これが等式の性質で、方程式を解くとは、この性質を使って x だけを片側に残す作業です。
2.移項 ― 符号が変わる理由
上の解き方で、両辺から3を引く代わりに「+3 を右に移しながら −3 に変える」と短く言うことができます。これを移項といいます。符号が変わるのは規則を覚えたからではなく、両辺から同じ数を引いた結果だからです。
一次方程式はふつう次の順序で解きます。かっこをはずし、分数や小数があれば両辺に同じ数をかけて整数にし、x のある項は左へ、定数項は右へ移項し、整理してから x の係数で両辺を割ります。最後に、答えをもとの式に代入して検算します。
- よくある間違い1:移項するときに符号を変えない。
- よくある間違い2:分数をなくすとき、片方の辺の一部の項にしかかけない。6をかけたら、右辺の10も60にならなければなりません。
- よくある間違い3:かっこの前の負の数を、後ろの項にかけない。−(x − 3) = −x + 3 です。
- 手順1:かっこをはずします。3x − 6 = x + 8。
- 手順2:移項します。x を左へ、−6 を右へ移します。3x − x = 8 + 6。
- 手順3:整理します。2x = 14。
- 手順4:両辺を2で割ります。x = 7。
- 検算:左辺 3(7 − 2) = 3 × 5 = 15、右辺 7 + 8 = 15。両辺が等しいので合っています。
- 手順1:分母2と3の最小公倍数6を両辺にかけます。このとき、すべての項にかけなければなりません。6 × x/2 + 6 × x/3 = 6 × 10。
- 手順2:整理します。3x + 2x = 60、5x = 60。
- 手順3:x = 60 ÷ 5 = 12。
- 検算:12/2 + 12/3 = 6 + 4 = 10 で合っています。
3.検算は省略できない
方程式の大きな長所は、答えが合っているかを自分で確かめられることです。求めた値をもとの式(途中の式ではなく最初の式)に代入して、両辺が等しくなるかを見ればよいのです。途中の式に代入すると、それより前の段階の間違いを見つけられません。
AIが方程式を解いてくれるときも同じです。解き方がどれほどもっともらしくても、答えをもとの式に代入してみるのに1分もかかりません。検算は、AIの答えを信じるかどうかを決めるいちばん確かな方法です。
4.公式を求めたい文字について解く
等式の性質は、数だけの方程式にとどまらず、公式にもそのまま使えます。公式はいくつかの文字の間の関係を表した等式なので、知りたい文字1つだけが片側に残るように、両辺に同じ計算をすればよいのです。これを等式の変形といいます。
たとえば、摂氏温度 C を華氏温度 F に直す公式は F = 1.8C + 32 です。華氏温度がわかっていて摂氏温度を求めたいなら、C について解きます。両辺から32を引くと F − 32 = 1.8C、両辺を1.8で割ると C = (F − 32) ÷ 1.8 です。順序は一次方程式と同じです。足された数を先に移し、かけられた数で後から割ります。順序を逆にして F を先に1.8で割ってから32を引くと、32まで1.8で割られないので間違った式になります。
- 手順1:C について解いた公式 C = (F − 32) ÷ 1.8 を使います。
- 手順2:F = 86 を代入します。86 − 32 = 54。
- 手順3:54 ÷ 1.8 = 30。
- 検算:最初の公式に代入すると 1.8 × 30 + 32 = 54 + 32 = 86 で合っています。
5.連立方程式 ― 未知数が2つのとき
未知数が2つなら、式も2つ必要です。2つの式を同時に満たす x と y を見つけるのが連立方程式です。基本の作戦は、未知数を1つ消して一次方程式1つにすることです。
加減法は2つの式を足したり引いたりして未知数を1つ消す方法、代入法は一方の式を x = … または y = … の形に直して、もう一方の式に代入する方法です。どちらで解いても答えは同じです。
- 手順1:2つの式を足すと y が消えます。(x + y) + (x − y) = 10 + 4、2x = 14。
- 手順2:x = 7。
- 手順3:1つ目の式に代入します。7 + y = 10、y = 3。
- 検算:7 + 3 = 10、7 − 3 = 4。どちらの式も成り立ちます。
- 手順1:2つ目の式の y のところに、1つ目の式の 2x を代入します。x + 2x = 15。
- 手順2:3x = 15、x = 5。
- 手順3:y = 2 × 5 = 10。
- 検算:10 = 2 × 5 で、5 + 10 = 15 です。
6.文章題 ― ことばを式に直す
文章題が難しいのは、計算ではなく翻訳のせいです。手順を決めておけば、ずっと楽になります。第一に、求めたいものを未知数にして、単位まで書きます。第二に、文の中の「等しい」にあたる関係を見つけて式を立てます。第三に、解きます。第四に、答えをもとの文に当てはめて筋が通るかを確かめます。個数が負の数や分数で出てきたら、式の立て方を間違えた可能性が高いでしょう。
- 手順1:未知数。りんご x 個、梨 y 個。
- 手順2:個数の関係は x + y = 10。金額の関係は 1,200x + 2,000y = 15,200。
- 手順3:代入します。y = 10 − x を2つ目の式に代入すると 1,200x + 2,000(10 − x) = 15,200、つまり 1,200x + 20,000 − 2,000x = 15,200。
- 手順4:整理します。−800x = −4,800、x = 6。したがって y = 10 − 6 = 4。
- 検算:6 + 4 = 10個、1,200 × 6 + 2,000 × 4 = 7,200 + 8,000 = 15,200円 で、文と合っています。
- 手順1:未知数。今の息子の年齢を a 歳、父を 3a 歳とします。
- 手順2:12年後は、父 3a + 12、息子 a + 12。関係式は 3a + 12 = 2(a + 12)。
- 手順3:3a + 12 = 2a + 24 → 3a − 2a = 24 − 12 → a = 12。
- 検算:今、息子12歳、父36歳で3倍。12年後は24歳と48歳で2倍です。
📌 要点まとめ
- 等式の両辺に同じことをすれば、等式はそのまま成り立つ
- 移項は両辺から同じ数を引いたり足したりした結果なので、符号が変わる
- 分数があれば、最小公倍数をすべての項にかけて整数の係数にする
- 連立方程式は、加減法か代入法で未知数を1つ消して解く
- 答えは最初の式(文章題なら最初の文)に当てはめて、必ず検算する
🔁 演習問題(無制限)
問題を限りなく新しく作り出します。答えを書いて「確認」を押すとすぐに採点し、「解き方を見る」を押すと本文と同じ順序の段階ごとの解き方が開きます。難易度を選べ、連続で正解した回数を数えます。
- やさしい:ax + b = c
- ふつう:両辺に x がある方程式
- 難しい:かっこや分数の係数がある方程式(答えが分数のものを含む)
この演習はブラウザのJavaScriptで問題を作ります。いまは問題を作れないので、上の例題と確認問題で練習し、JavaScriptを有効にしてから開き直してください。
答え
答えは整数・小数・分数で入力します(例:12、0.75、3/4、−2/3、1 3/4)。分数の答えは小数第3位まで合っていれば正解とします。解き方を先に見るか間違えると連続正解は0に戻り、最高記録だけがこのブラウザに保存されます。
🤖 AIにはこう聞いてみましょう
コピーして [ ] の部分を自分の状況に書き換えて使います。答えはそのまま信じず、本文と比べて確かめましょう。
自分の解き方の間違いを見つけたいとき
方程式 3(x − 2) = x + 8 を、私はこう解きました:[私の解き方]。正解を先に言わずに、各行が前の行から正しく導かれているかを1行ずつ確かめてください。最初に間違えた行がどこかと、その理由だけを教えてください。
文章題を式に立てる練習をするとき
身近な場面で、連立方程式の文章題を5問作ってください。各問題について、私が先に未知数と式を立てて送るので、あなたは式が正しいかどうかだけを判断してください。解き方と正解は、私が頼むまで見せないでください。
AIが出した答えを確かめるとき
今求めた解を最初の式に直接代入して、両辺の値をそれぞれ計算して見せてください。途中の式ではなく、最初の式に代入してください。
- 中学校の数学教科書の一般的な内容(一次方程式、連立方程式)
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