1.比と割合、そして比例配分
比は2つの量を並べて比べる表し方です。米と水を 1 : 1.2 で入れる、男女の比が 3 : 2 といった具合です。割合はその比を1つの数で表したもので、比べる量をもとにする量で割った値です。3 : 2 の割合は 3/2 = 1.5 で、これを100倍するとパーセント(150%)になります。
比例配分は、全体を与えられた比に従って分ける計算です。比の各項を足して全体が何つ分かを求め、1つ分の大きさを求めてかければよいのです。
- 手順1:全体が何つ分か。3 + 2 = 5つ分。
- 手順2:1つ分の大きさ。50,000 ÷ 5 = 10,000円。
- 手順3:1人目は 3 × 10,000 = 30,000円、2人目は 2 × 10,000 = 20,000円。
- 検算:30,000 + 20,000 = 50,000 で、30,000 : 20,000 = 3 : 2 です。
2.割合で比べる ― 単価とまとめ買い割引
割合がいちばん役に立つのは、大きさの違う2つのものを同じ基準にそろえて比べるときです。スーパーで容量の違う2つの商品のどちらが安いかを知りたいなら、価格を容量で割って「100 mLあたりいくら」や「1 gあたりいくら」という単価に直せばよいのです。このとき、まず2つの商品の単位をそろえなければなりません。一方が L、もう一方が mL で書かれていたら、1 L = 1,000 mL に直してから割ります。
まとめ買い割引も、割合に直すと正確に見えます。「1つ買うと1つ無料」は2個を1個の値段で買うのですから、1個あたりの価格は半分、つまり50%引きです。ところが「2つ買うと1つ無料」は3個を2個の値段で買うのですから、1個あたりの価格はもとの 2/3 で、割引率は 1 − 2/3 = 1/3、約33%です。おまけの1個だけを見て50%引きのように感じがちですが、もとにする量は受け取った全体の個数だということを覚えておきましょう。
- 手順1:単位をそろえます。1.8 L = 1,800 mL です。
- 手順2:100 mLあたりの価格。大きいほうは 4,500 ÷ 18 = 250円、小さいほうは 1,350 ÷ 5 = 270円。
- 手順3:大きいほうが100 mLあたり20円安くなります。小さいほうを基準にすると 20 ÷ 270 ≈ 0.074、約7.4%安い計算です。
- 検算:250 × 18 = 4,500円、270 × 5 = 1,350円で、もとの価格が出てきます。
3.パーセント計算の3つの形
パーセントの問題は、ほとんどすべてが「もとにする量 × 割合 = 比べる量」という1つの式から出てきます。何がわからないかによって3つの形になります。80,000円の15%を問われたら比べる量を、12,000円が80,000円の何%かを問われたら割合を、15%が12,000円のときの全体を問われたらもとにする量を求めることになります。
パーセントを小数に直してかけると、間違いが減ります。15%は 0.15、8%は 0.08、120%は 1.2 です。
| わからないもの | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 比べる量 | もとにする量 × 割合 | 80,000 × 0.15 = 12,000円 |
| 割合 | 比べる量 ÷ もとにする量 | 12,000 ÷ 80,000 = 0.15 → 15% |
| もとにする量 | 比べる量 ÷ 割合 | 12,000 ÷ 0.15 = 80,000円 |
4.パーセントとパーセントポイント
金利が年2%から年3%に上がったら、どれだけ上がったのでしょうか。2つの答えがどちらも正しいのです。パーセントの値同士の差で見れば1パーセントポイント(1%p)上がり、もとの金利を基準に見れば (3 − 2) ÷ 2 = 0.5、つまり50%上がりました。
パーセントポイントは2つのパーセントの値の単純な差で、パーセントはもとの値に対する変化の割合です。記事や報告書の「50%上昇」と「1%p上昇」は、同じできごとを別の言い方で表したものかもしれません。どちらを使うかで印象が大きく変わるので、パーセントの値の変化を語るときは、どちらの意味なのかを必ず確かめましょう。
- 手順1:パーセントポイント。44 − 40 = 4%p。
- 手順2:パーセント(増加率)。(44 − 40) ÷ 40 = 4 ÷ 40 = 0.1 → 10%。
- 検算:40の10%は4なので、40% + 4%p = 44% で合っています。
5.20%下げてから20%上げたら、もとに戻るか
10,000円の品物を20%引きにすると8,000円です。これを再び20%上げると10,000円に戻りそうですが、9,600円です。値引きのときのもとにする量は10,000円で、値上げのときのもとにする量は8,000円だからです。8,000円の20%は1,600円です。
こうした問題は、パーセントを「かける数」に直すと一目でわかります。20%引きは × 0.8、20%上げは × 1.2 です。2つを続けて行うと × 0.8 × 1.2 = × 0.96、つまりもとより4%低くなります。順序を入れ替えて先に上げてから下げても、0.96 で同じです。
同じ理由で、30%引きの後にさらに30%引きは60%引きではありません。0.7 × 0.7 = 0.49 なので、もとの価格の49%を払うこと、つまり51%引きです。
- 手順1:10%引きは、もとの価格 × 0.9 です。もとの価格を x とすると x × 0.9 = 36,000。
- 手順2:x = 36,000 ÷ 0.9 = 40,000円。
- 手順3:よくある間違いは、36,000 × 1.1 = 39,600円 と計算することです。値引きのもとにする量はもとの価格であって、値引き後の価格ではありません。
- 検算:40,000円の10%は4,000円、40,000 − 4,000 = 36,000円 で合っています。
- 手順1:上げるべき金額。10,000 − 8,000 = 2,000円。
- 手順2:もとにする量は今の価格8,000円なので、2,000 ÷ 8,000 = 0.25 → 25%。
- 検算:8,000 × 1.25 = 10,000円 です。
6.増加率と減少率
増加率は「変化量 ÷ 前の値」です。訪問者が120人から150人になったなら、(150 − 120) ÷ 120 = 0.25、つまり25%の増加です。逆に150人から120人になったなら、(120 − 150) ÷ 150 = −0.2、つまり20%の減少です。同じ30人の差なのに、もとにする量が違うので25%と20%という違う値になります。
ですから「昨年より25%増えた」と「今年に比べて昨年は20%少なかった」は同じ事実です。増加率を読むときは、いつも基準の時点がいつか、基準の値がいくらだったかをあわせて見る必要があります。基準の値がとても小さいと、小さな変化でも大きなパーセントになります。2件が4件になれば100%の増加です。この落とし穴は第9講でもう一度扱います。
📌 要点まとめ
- 割合 = 比べる量 ÷ もとにする量、パーセントは割合 × 100 である
- パーセントポイント(%p)はパーセントの値の単純な差、パーセントは基準に対する変化の割合である
- x%引きの後にx%上げると、もとの値より小さくなる ― もとにする量が変わるからだ
- 続けて起こる変化は、かける数(0.8、1.2 …)に直してかけると正確になる
- 増加率 = 変化量 ÷ 前の値 ― 基準が小さいと、小さな変化でも大きなパーセントになる
🔁 演習問題(無制限)
問題を限りなく新しく作り出します。答えを書いて「確認」を押すとすぐに採点し、「解き方を見る」を押すと本文と同じ順序の段階ごとの解き方が開きます。難易度を選べ、連続で正解した回数を数えます。
- ○○円の□%はいくらか(もとにする量 × 割合)
- 何%か(割合を求める)
- 比例配分
- 全体・もとの価格を逆に求める
- 増加率と減少率
- 難しい:値引きの後のさらなる値引きの全体の割引率
この演習はブラウザのJavaScriptで問題を作ります。いまは問題を作れないので、上の例題と確認問題で練習し、JavaScriptを有効にしてから開き直してください。
答え
答えは整数・小数・分数で入力します(例:12、0.75、3/4、−2/3、1 3/4)。分数の答えは小数第3位まで合っていれば正解とします。解き方を先に見るか間違えると連続正解は0に戻り、最高記録だけがこのブラウザに保存されます。
🤖 AIにはこう聞いてみましょう
コピーして [ ] の部分を自分の状況に書き換えて使います。答えはそのまま信じず、本文と比べて確かめましょう。
記事や報告書のパーセントの表現がわかりにくいとき
次の文で使われているパーセントが、パーセントポイントの差なのか、基準の値に対する増加率なのかを区別してください。基準の値が何かを明らかにして、もう一方の表現に直すといくつになるかも、計算の過程とあわせて見せてください。文:[貼り付け]
値引き・値上げが重なった価格を計算するとき
もとの価格 [金額] に [変化1]、その次に [変化2] が適用されました。各段階のもとにする価格、かける数、結果を表で見せて、最後にもとの価格に比べて何%変わったかを計算してください。かける数は自分でかけて確かめます。
パーセントの練習問題を解きたいとき
パーセントとパーセントポイント、値引き後の価格からのもとの価格の逆算、増加率をまぜて、身近な場面の問題を6問作ってください。正解は伏せておいて、私が答えを言ったら、合っているかどうかと解き方を教えてください。
- 小学校・中学校の算数・数学教科書の一般的な内容(比と割合、百分率)
学習目標をすべて達成できたら完了を押しましょう。
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