1.地球の内部とプレートの動き
地球は半径が約6,400 kmの球形で、外側から地殻、マントル、外核、内核に分かれます。私たちが暮らす地殻はりんごの皮のように薄く、その下のマントルはほとんどが固体ですが、とても長い時間をかけてゆっくり流れることができます。外核は液体、内核は固体の状態だと考えられています。地球の内部を実際に掘り進んで確かめたわけではなく、この構造はおもに地震波が地球の内部を伝わるようすを分析して明らかにされたものです。
地殻とマントルの上部を合わせたかたい層(リソスフェア)はいくつかの断片に分かれていて、これをプレートといいます。プレートは1年に数cmほどのゆっくりした速さで動いています。プレートとプレートが出会う境界では、ぶつかったり、離れたり、ずれ合ったりして、地震や火山活動が集中して起こります。ヒマラヤ山脈は、プレートが衝突して盛り上がった場所です。このように、プレートの動きで地殻変動を説明する理論をプレートテクトニクスといいます。
| 層 | 状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 地殻 | 固体 | いちばん外側の薄い層、大陸地殻と海洋地殻 |
| マントル | 固体(とてもゆっくり流れる) | 地球の体積の大部分を占める |
| 外核 | 液体 | おもに鉄とニッケル、地球の磁場に関係 |
| 内核 | 固体 | おもに鉄とニッケル、非常に高い圧力 |
2.大気と水の循環
地球を取り巻く空気の層である大気は、窒素が約78%、酸素が約21%を占め、残りにアルゴン、二酸化炭素、水蒸気などがごくわずかに含まれています。高さによる気温の変化をもとに、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏に分けます。雲や雨のような気象現象のほとんどはいちばん下の対流圏で起こり、成層圏には紫外線を吸収するオゾン層があります。
水は太陽のエネルギーを受けて海や陸から蒸発し、上空で凝結して雲になり、雨や雪となって降り、川や地下水を通ってふたたび海へ流れていきます。この過程を水の循環といいます。水が蒸発するときに吸収した熱は雲になるときに大気中に放出されるので、水の循環は熱を運ぶ役割も果たしています。第5講で見た状態変化と熱の出入りが、地球規模で起きているわけです。
3.天気と気候は違う
天気とは、特定の場所と時間の大気の状態です。今日ソウルで雨が降り、気温が12 °Cだというのは天気です。気候とは、ある地域で長い期間にわたって現れる天気の平均的な傾向と変動の幅です。ふつうは30年間の記録を基準にします。
そのため、ある年の冬がとりわけ寒かったというだけで気候が暖かくなっていないとは言えず、反対に一日暑かったというだけで気候変動を語ることもできません。気候は数十年の傾向で判断します。天気は数時間ごとに変わるその日の服装、気候はその人のクローゼットだとたとえることもあります。
4.温室効果のしくみ
太陽から届く光は、おもに可視光線のように波長の短い光なので、大気をほとんど通り抜けて地表を温めます。温められた地表はふたたびエネルギーを放出しますが、地球くらいの温度から出るのは目に見えない赤外線です。大気中の水蒸気、二酸化炭素、メタンといった気体はこの赤外線を吸収し、四方に再び放出して、その一部が地表に戻ってきます。その結果、地表付近がより暖かく保たれます。これが温室効果です。
温室効果そのものは自然な現象で、生命にとって欠かせません。温室効果がなければ地球の平均気温は氷点下18 °Cほどと推定されますが、実際の平均は約15 °Cです。問題になるのは、化石燃料を燃やすなど人間の活動で温室効果ガスの濃度が高まり、温室効果が強まることです。これを地球温暖化といい、科学界は観測データと気候モデルにもとづいて、現在の温暖化のおもな原因は人間の活動だと評価しています。
名前は温室からとられていますが、実際の温室が暖かいおもな理由は、ガラスが温まった空気が逃げるのを防ぐからなので、大気の温室効果とはしくみが完全に同じではありません。
5.数字で見る地球温暖化
大気中の二酸化炭素の量は、ふつうppm(百万分率)の単位で表します。1 ppmは、空気の分子100万個のうち1個という意味です。産業革命前の二酸化炭素濃度は約280 ppmでしたが、化石燃料の使用などで増え続け、2020年代には420 ppmを超えました。ハワイのマウナロア観測所のように、数十年にわたって同じ方法で測り続けてきた記録がこの傾向を示しています。
420 ppmはわずか0.042%です。こんなに少ない量がなぜ重要なのでしょうか。空気の大部分をつくる窒素と酸素は、地表が出す赤外線をほとんど吸収しませんが、二酸化炭素は赤外線を吸収するからです。空気の中でこうした役割を果たすのは、水蒸気、二酸化炭素、メタンのようなわずかな量の気体だけなので、これらの濃度が少し変わるだけでも影響が大きいのです。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2011〜2020年の世界の平均地上気温が1850〜1900年より約1.1 °C高かったと評価しました。1 °C余りは一日の天気でいえば小さな差ですが、地球全体を数十年にわたって平均した値だという点で意味が違います。この程度の変化でも、猛暑の頻度と強さ、海面の高さなどへの影響がすでに観測されています。
- 増えた量:420 − 280 = 140 ppm
- 増加率:140 ÷ 280 = 0.5 → 50%
- %への換算:1 ppm = 1/1,000,000 = 0.0001% なので、420 ppm = 420 × 0.0001% = 0.042%
- 検算:280 × 1.5 = 420 ppm で合っています。
6.季節の原因 — 距離ではなく傾き
「夏は地球が太陽に近いから暑い」というのは、広く広まった誤解です。地球の公転軌道は円にとても近いだえんなので距離の差は小さく、むしろ地球が太陽にいちばん近づくのは、北半球が冬の1月初めです。また、距離のせいだとすれば南半球と北半球の季節は同じになるはずですが、実際には反対です。
本当の原因は、地球の地軸が公転軌道面に垂直な方向から約23.5°傾いたまま、太陽のまわりを回っていることです。北半球が太陽の側に傾いている夏には、太陽が高く昇り(南中高度が高く)、同じ面積に日光がより集中し、昼の長さも長くなります。冬には太陽が低く、日光がななめに広く散らばり、昼が短くなります。懐中電灯を床に垂直に当てたときと、ななめに当てたときで明るさが変わるのと同じしくみです。
- 春分・秋分:90 − 37.5 = 52.5°
- 夏至:52.5 + 23.5 = 76°
- 冬至:52.5 − 23.5 = 29°
- 解釈:夏至には太陽が76°の高さまで、冬至には29°までしか昇りません。この差が日光の集まり方と昼の長さを変え、季節をつくります。
📌 要点まとめ
- 地球は地殻・マントル・外核(液体)・内核(固体)からなり、この構造はおもに地震波から明らかにされた
- プレートの境界では地震や火山が多い — プレートテクトニクス
- 天気は特定の時点の大気の状態、気候はふつう30年の平均的な傾向である
- 温室効果ガスは地表が出す赤外線を吸収・再放出して地表を暖める — この効果が強まるのが地球温暖化である
- 季節は太陽との距離ではなく、地軸が約23.5°傾いていて南中高度と昼の長さが変わるために生まれる
🤖 AIにはこう聞いてみましょう
コピーして [ ] の部分を自分の状況に書き換えて使います。答えはそのまま信じず、本文と比べて確かめましょう。
季節の原因を家で目で確かめたいとき
懐中電灯と方眼紙を使って、日光がななめに当たると同じ面積が受ける光が減ることを示す家庭での実験を設計してください。角度ごとに光が当たった広さを記録する表をつくり、結果を季節の原因と結びつけて説明してください。実験の限界(実際の大気の影響、昼の長さなど)も書いてください。
温室効果のたとえがどこまで当てはまるか知りたいとき
温室効果を、ふとんや車の中のような身近なたとえで説明してください。そのうえで、そのたとえが実際の大気の温室効果と違う点をリストにまとめてください。具体的な最新の数値は入れず、入れる必要があるなら、どの公的機関の資料で確かめるべきかだけを教えてください。
- 中学・高校の理科教科書の一般的な内容(大地の変化、大気と天気、季節の変化)
- 世界気象機関(WMO)の気候の平年値の基準(30年)
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